『専門学校』の失敗しない選び方ー「チェックポイント」を知ろうー
2023/03/25
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ブログでは、20年間携わった高校生の進路支援の経験をもとに「専門学校の入試・選び方・学費」などを紹介しています。
また自身もデザインの専門学校に通学した経験から「40歳を超えて専門学校に通った経験」をまとめています。
そのほか、「旅行」、「鬼滅の刃」、「生活」、「戦国時代の武将や出来事」などについて紹介しています。
モットーはサザエの殻のように、ゆっくりだけど着実に大きくなれるよう人生を歩むことです!
高校生やその保護者、また社会人の方に向けて、シリーズで失敗しない「専門学校の選び方」を紹介します。
「専門学校」は「大学」より選択が難しい進路先です。
なぜなら、大学には偏差値があり、高校の先生も大卒でありアドバイスがもらいやすいですが、専門学校は広告が溢れている割には、偏差値もなく的確な判断基準がないためです。
そして選択に失敗すると、入学後のモチベーションが低下し、最悪退学の危険性もあります。
専門学校を適切に選ぶにはコツが絶対に必要です。HP見て「いい感じ」の学校を選んでいては危険なのです。
そのために、高校生の進路支援を20年務めてきた筆者が、失敗しない「専門学校の選び方」を紹介したいと思います。
本記事では、最初に考えるべき「専門学校のチェックポイント」から紹介します。
本当に専門学校でいいのか?
「どうして専門学校を選ぶのですか?」と聞かれて答えられますか?
「この職業カッコいいから!/楽しそうだから!/給料がいいから!」
「身近な人(家族や先輩など)も専門学校行ってる(行った)から」
「先生に勧められたから」
「大学みたいに勉強したくないから」
「2年間だし大学よりラクそう」
正しい答えもありますが、足りなかったり誤った答えもあります。
専門学校を選ぶ最初の重要なポイントは「職業への志望度」です。
「志望する職業について理解しているか?」が失敗しないために重要です。
つまり、「志望する職業」の「魅力」と「大変さ」を両方理解しておく必要があります。
例えば、「美容師さん」はおしゃれで輝いて見えますし人を幸せな気持ちにさせてくれる職業ですが、仕事はハードです。一日中立ち仕事ですしコミュニケーション力が求められますし、人間関係も重要です。理由は様々ですが就職した方が3年で離職する割合は4割に達しているほどです。
「魅力」だけではなく「大変さ」を知って納得した上で志望しましょう!
もし「職業についてよく分からない!」という方は、進路部の先生や、いくつかの専門学校に相談してみましょう!
「確認したらやっぱりそこまで志望していませんでした!」という方は、分野(職業)を再検討したり、進路先自体(大学や短大、高卒就職)を再検討しましょう!
さて、きちんと「職業への志望」が固まった方は、次へ進みましょう!
※なお、「職業への志望」が固まってよく見てみると、専門学校以外の大学や短大の選択肢が出現することもあります。その場合は、進路先での違いを検証して絞り込みましょう!(例:保育士→専門学校・短大・大学で学べる)
専門学校とは?何をどこまでしてくれる?
「専門学校の選び方」を紹介していこうと思いますが、その前に「専門学校」を紹介したいと思います。
ざっくりいうと専門学校は、
就職先の斡旋、資格取得(支援)、職業教育・専門教育の義務を持った教育機関です。
就職は「就職課」を設置し学生に向けて随時、求人案内や就職ガイダンス、求人斡旋、個別相談を行い、就職希望者全員を就職させる必要があります。
資格取得は「就職に必須な資格を取得させる義務」、または「有益な資格取得の支援」があります。
教育は、その職業に就くために必要な「カリキュラムの構築」と「教員の充実」を元に、高度な職業教育を行います。
ちょっと難しく書いてしまいましたが、以上が専門学校が果たすべき役割です。
なお、専門学校は高卒以上を条件としていますので社会人も入学が可能です。
社会人については以下を参照ください!
「専門学校選び」を失敗しないチェックポイント
上記で「専門学校は何か?」を紹介しました。
なぜ紹介したかというと、「専門学校が果たす役割」を知って頂き、これから検討する専門学校が本当に「果たしている学校か?」チェックして欲しかったからです。
つまり、本記事で紹介する失敗しない「専門学校の選び方」とは、就職、資格、教育の3点です。
就職状況(実績)はどうか?
資格取得(実績)はどうか?
教育内容は充実しているか?
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この点をチェックすれば良いのです!
では、具体的に説明していきます。
就職状況(実績)について
就職状況(実績)が良いかどうか。
入学した学校に、期待する求人が少なければ就職が成功する確率も低いですよね。
就職状況をチェックするためには以下が有効です。
「年度ごとの就職データを出しているかどうか」をチェックします。
「過去5年の〜」や「近年の〜」、「主な〜」は正確な実績が掴めないためNGで、「令和○年度〜」など年度ごとの「就職実績一覧」をまずは入手しましょう。就職に自信を持っている専門学校なら無料で配布しています。
また学校に関わらず、そもそも業種によって給与水準が低いもの、雇用条件が不透明なもの、正社員採用が少ないものなどがありますので注意しておきましょう。
なお下記の「資格取得」についても言えることですが「%」は数値が調整できてしまうため信用しない方が良いです。
(例:就職率99%、資格取得率100%など)
資格取得(実績)について
資格取得は、「就職に必須な資格」と「就職などに有益な資格」の2種類があります。
「就職に必須な資格」は「国家資格(免許)」が多く、例えば建築士や電気工事士、看護師、美容師ほか人命に関わるような職業中心に該当します。「資格取得しないと就職できない」場合が殆どです。ということは、学生全員が合格できるノウハウを持つ学校でないと厳しいことが分かります。
「就職などに有益な資格」は「民間資格(免許)」が多く、例えば医療秘書、DTP、トリマー、インテリアコーディネーター、ネイリストほか多種多様に存在しています。「資格があると就職(将来)に有利」の場合が多いです。
この2種類があります。
「就職に必須な資格」の場合は、よくよくチェックしてください。入学してから「実績が低い学校だった」なんてシャレになりません、、、。
また内部試験を行ってふるいにかける学校もあるので、「全員が受験できるのか?」も含めて「合格実績」を聞き出してください!
教育内容について
入学後のモチベーションに影響します。
授業スタイル(進め方)、教員の質、カリキュラムの充実、課題の量、サポート体制などがチェックポイントです。
授業スタイルは教員の質にも関係しますが「学校の教育方針」と「学生個人のフィーリング」により向き不向きが表れます。
教員については「有名講師が教える」と謳う学校もありますが実際は毎週教えることはありません。有名人は本業が忙しいはずなので頻繁に授業はできません。余談ですが、仕事優先なので授業に遅刻や休校なども起こります。
教員は上記でも触れたように教員と生徒個人(みなさん)とのフィーリングです。いろいろな教員といろいろな学生がいます。合う場合も合わない場合もありますのでそこは承知しておきましょう。ただし、教員のスキルや知識レベル、現場経験値などテクニカルな質は事前にチェックしておくべきです。別途紹介したいと思いますが、学校見学等に参加してチェックしましょう!
また途中で「コロコロ変わるような非常勤講師が多い学校」と「専任教員が多く安定してる学校」かも調べる必要があります。なお、筆者も専門学校に通いましたが、半期で現役の著名な非常勤講師が入れ替わり教育しました。ただ、授業がしっかり成立していましたので、そういうケースもあるのかもしれません(別途記事を参照ください)。
カリキュラムは、職業の基礎スキルがどれだけ身につけられて卒業できるかを考えて組まれおり、これは例えば、教育方針において高いレベルを求める学校はそれだけ授業も詰まっておりアルバイトも大変なくらい忙しいです。逆に忙しくない学校もあり空いているコマが比較的多い学校もあります。
学校が求める人材育成のビジョン(カリキュラム)に自分が合うかどうかを検討すべきです。
その他のポイント
そのほかで重要と思うポイントは、「学生の雰囲気」、「学費とサポート体制」です。
学生は学校によって雰囲気が違います。例えば留学生の割合や学生のモチベーション、学校自体のイメージ(雰囲気)含め学生から伝わる印象など、自分が2年間通うと想像して向いているかそうでないか考えるポイントになります。
「学費とサポート体制」では、学費はもちろん、教材費や研修費、願書に記載のない細々した費用の総額が大体どのくらいかかるのか、またそれをサポートする公的機関や学校独自の費用支援制度は何があるのか?を調べておく必要があります。
専門学校の学費についてはこちらでまとめています。
以上がチェックポイントです。他にも設備のチェックや通学にかかる時間などありますがとりあえず上記が最も重要なポイントになります。
まとめ
こちらでは、失敗しないための「専門学校の選択方法」を紹介しました。以下にまとめます。
「就職状況(実績)はどうか?」
・年度毎の実績をチェックする
・求人内容をチェックする
・「%」は信じない
「資格取得(実績)はどうか?」
・全員受験できるのか?
・合格実績はどうか?
・「%」は信じない
「教育はどうか?」
・授業スタイルについて
・教員の質について
・カリキュラム(教育方針)について
「学生の雰囲気はどうか?」
・自分に合いそうかチェックする
「学費やサポートについて」
・学費と諸経費と細かい費用など全部合わせた総額はいくらか?
・公的機関と独自の学費支援サポート制度をチェックする
「そのほか」
・設備について、通学距離など
以上です。
次では実際そのチェックポイントを、「どのようなツールでチェックすれば良いのか?」紹介します。
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ブログでは、20年間携わった高校生の進路支援の経験をもとに「専門学校の入試・選び方・学費」などを紹介しています。
また自身もデザインの専門学校に通学した経験から「40歳を超えて専門学校に通った経験」をまとめています。
そのほか、「旅行」、「鬼滅の刃」、「生活」、「戦国時代の武将や出来事」などについて紹介しています。
モットーはサザエの殻のように、ゆっくりだけど着実に大きくなれるよう人生を歩むことです!