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「胡蝶(蝶)」のイメージから『胡蝶しのぶ』の由来を導く!

2023/03/25
 
胡蝶トップ画像
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ブログでは、20年間携わった高校生の進路支援の経験をもとに「専門学校の入試・選び方・学費」などを紹介しています。 また自身もデザインの専門学校に通学した経験から「40歳を超えて専門学校に通った経験」をまとめています。 そのほか、「旅行」、「鬼滅の刃」、「生活」、「戦国時代の武将や出来事」などについて紹介しています。 モットーはサザエの殻のように、ゆっくりだけど着実に大きくなれるよう人生を歩むことです!
「鬼滅の刃」に登場するキャラクターって、みんな個性が強くて魅力的ですよね。
 
その中でも「胡蝶しのぶ」は表裏のギャップが激しいキャラです。
 
上品で物腰も柔らかく、いつも優しい笑顔で炭治郎たちを支える一方で、鬼への憎しみは恐ろしいほどに深い!
 
そんな彼女のキャラクターは、名前でもある『胡蝶』の文字にぎゅっと詰め込まれていると思います。
 
『胡蝶』とは「蝶」のことですが、そのイメージや特性を調べると、彼女を作り上げている要素がいろいろ詰まっていることがわかります。
 
本記事では、胡蝶(=蝶)のイメージ・特性を紹介し、そこから「胡蝶しのぶ」を作り上げる要素を抽出してキャラクターを浮かび上がらせてみたいと思います!
 
(本記事は筆者の考察にとどまるもので実際の作品とは関係ありません。またネタバレを含みます。)
 
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「胡蝶」の文字には「表」と「裏」のイメージがある!

さっそく「胡蝶」という文字を見ようと思います。
 
「胡蝶」の別名は「蝶」です。
 
ちょうちょ
 
まず、「胡蝶(=蝶)」には「可愛らしい」などの『表のイメージ』と「死」などの『裏のイメージ』があります!
 
可愛いけど怖い、というような存在。もう少し具体的にいうと、、、
 
【  胡蝶(=蝶)のイメージ  】
 
表のイメージ
 
可愛らしい
 
美しい
 
優雅
 
綺麗(な模様)
 
ひらひら(軽やか)
 
 
 
裏のイメージ
 
不気味さ
 
 
 
儚さ(短命)
 
死霊
 
 
 
「表」と「裏」で180°異なるイメージですね。
 
「表のイメージ」は一般的な蝶のイメージで、「ふんふん、なるほど」と納得しますが、「裏のイメージ」は分かりにくく怖そうですね。
 
これは昔から持たれているイメージや毒を持つ蝶に由来したイメージなんです。
 
詳しくは後述します。
 
さて、これら「胡蝶」の持つイメージをざっとみると、「胡蝶しのぶ」のキャラクターに近いと感じませんか?
 
「表」と「裏」のイメージ。
 
「胡蝶しのぶ」のイメージも以下で挙げてみたいと思います。
 

胡蝶しのぶのイメージは?

「胡蝶しのぶ」も「表」と「裏」でかなり違った顔を持っていますよね。
 
「優しい!」と思いきや「怖い!」と感じたり。
 
初見では、サイコパスなキャラで怖く感じました。
 
サイコパス

(引用:「鬼滅の刃」5巻41話 小峠呼世晴/集英社)

 
 
では、以下で「胡蝶しのぶ」のイメージを「表」と「裏」で整理してみたいと思います。
 
【  胡蝶しのぶのイメージ  】
 
表のイメージ
 
可愛い
 
上品
 
優しい
 
笑顔
 
優雅
 
綺麗(な模様、髪飾り、刀)
 
軽やか
 
冷静(客観的)
 
 
裏のイメージ
 
怖い・残酷
 
憎悪
 
恨み
 
毒舌
 
毒殺
 
儚さ(短命)
 
 
改めてみると、やはり「胡蝶(蝶)」のイメージと同じく、「表」と「裏」のギャップが激しいです。
 
「胡蝶(=蝶)」と「胡蝶しのぶ」のイメージを挙げてみました。
 
こうやって比べてみると、似ている部分が多いと思いませんか?
 
そこで、より具体的に「胡蝶(=蝶)」の「表のイメージ」と「裏のイメージ」を掘り下げてみたいと思います。
 

「胡蝶(=蝶)」の「表のイメージ」とは?

「胡蝶(蝶)」の表のイメージは、説明があまりいらないかも知れませんが、ちょっと歴史を遡って一例を紹介したいと思います。
 
「胡蝶(蝶)」は奈良時代はそうでもありませんが、平安時代に入ると貴族たちに人気が出ました。
 
貴族の装束や調度品、牛車などの文様に使われるようになったのです。
 
『源氏物語』にも春を愛でるシーンに蝶が取り入れられています!
 
『源氏物語』の二十四帖「胡蝶」という題において
春を迎えて楽しんでいる宮中でのシーン。蝶の衣装を着た童女たちが、山吹を生けた金色の花瓶を手に持ち、皇族・貴族たちの前で優雅に舞い踊ります。その舞は儚げに飛び立っては山吹の咲く垣に消え、また美しく現れては垣に消え、飽きることない素敵な舞を踊って見せています。
 
「紫の上」が「秋好中宮」に「秋もいいけど春って素敵でしょ?」という歌を詠んだりしており、周りの女房達はすっかり春に降参している様子も描かれています。
源氏物語 胡蝶

『源氏物語 胡蝶』 (出典:「和子/ 源氏物語」ーWAKOGENJI

このシーンは、春めく季節の魅力が余す所なく描写されています。
 
その春の魅力に、桜や山吹、鶯などと共に「胡蝶(蝶)」も取り入れられています。
 
春は、優しい陽の光を浴びる季節。
 
その明るさや暖かさは人の気分も明るく温かくしてくれます。
 
ここで描写される内容から「胡蝶しのぶ」の共通点を挙げると以下になります。
 
・蝶の衣装をまとって舞う童女 ▶︎「可愛らしさ」「上品さ」「優雅さ」「蝶の羽織や髪飾り」
 
・蝶が舞う春の季節 ▶︎「温かさ=優しさ」「落ち着き」「明るさ=笑顔」
「胡蝶(蝶)」や「春」がキーワードとなって、このような「胡蝶しのぶ」と共通点を見つけることができました。
 
確かに、「胡蝶しのぶ」の性格や笑顔からは、「春」のような優しさや温かさを感じます!
 
さて、今度は「裏のイメージ」を見てみたいと思います。
 
『源氏物語』の二十四帖「胡蝶」。筆者は、これに由来したものがもう一つあると感じています。それは、織田信長の正室「帰蝶(濃姫)」の名前で「胡蝶」とも言われます。帰蝶は短命だったとも言われ、何となく「蝶」をイメージさせます。

「胡蝶(=蝶)」の「裏のイメージ」とは?ー死についてー

「胡蝶(蝶)」は、矛盾するようですが昔の人々にとって気味の悪い生物でもあったようです。
 
両羽の美しいシンメトリーを持ちながら規則性のない飛び方をする蝶への気持ち悪さ。
 
また死んだように動かなくなったサナギから蝶が生まれ出でてる不気味さなど。
 
蝶イメージ(死)
 
蝶は、命の儚さ(短命)や死者、死、死霊などと結びつけて「不吉」と捉えられていたようです。
 
それは現在でも各地方に根強く残っています。
 
例えば、仏の使い、また死霊と捉える地域、夜に多数の蝶にまとわりつかれると死亡する、蝶が仏壇や部屋に現れると死の前兆、蝶の柄の服を好む人は短命などの伝承を持つ地域があります。
 
『鬼滅の刃』で考えると、「胡蝶しのぶ」は蝶のように規則性がなくて不気味です。
 
可愛くて優しい笑顔、面倒見の良いキャラである一方で、鬼への憎悪は深みを増していきます。しかも、姉カナエが言い残した「人と鬼が仲良くする理想」と「しのぶの笑顔」も叶えようとしていますので、矛盾を抱えながら精神を保つのがやっと。
 
「ちょっと疲れてしまいまして」と炭治郎に吐露しています。
 
善逸も胡蝶しのぶの体の音について「独特で、規則性がなく、ちょっと怖い」と言っていました。
 
そして蝶のような不規則性は、ついに自己犠牲という形で最後を迎えます。
 
まさか童磨に自分を取り込ませて死のうとするとは、、。
 
今考えれば「胡蝶(蝶)」のもつ「不規則性と不気味さ」が反映されていたのでしょう。
胡蝶 暗め

(引用:「鬼滅の刃」19巻161話 小峠呼世晴/集英社)

 
また、「命の儚さ(短命)や死者、死」のイメージは、家族や姉の死、若くして死を選んだ自死が共通しています。
 
「死霊」は、死して童磨を死に引きずり込んだことと共通しています。
 
以上の点から「胡蝶しのぶ」と「胡蝶(蝶)の裏のイメージ」の共通点は、
 
・矛盾を抱える言動や精神からは「不規則性や不気味さ」
 
家族と姉の死や、若くしての自己犠牲から「死」や「短命」
 
・死して童磨を死に引き込んだことは「死霊」に通じる
 
です。
 
その他、「体重37kg、BMI値16」という異様に軽い体重も読者を驚かせました。これも蝶のイメージに近づけた設定だと思われ、もっといえば体重が判明するシーンで「儚さ(短命)」を示したとも言えます。
 
これ以外に蝶のイメージに通じる重要なポイントとして、「毒」が挙げられます。

「胡蝶(=蝶)」の「裏のイメージ」とは?ー毒についてー

蝶にはを持つ種類がいます。
 
蝶の成長というのは、「卵→幼虫→さなぎ→成虫」という完全変態です。
 
毒を持つ蝶の特徴として多いのは、「幼虫」時代に毒のある植物を餌として蓄え、それを体内に留めサナギになり、毒を持ったまま蝶になるものです。
 
「胡蝶しのぶ」もまさにこれですね!
 
もっと言うと、毒を持つ蝶は幅が広く、人間がかゆみを感じる程度のものから、痺れ、さらには死に至らしめるものまで様々いるようです。例えば「ツマベニチョウ」はコノトキシンという生物界で最強の神経毒を持っており、人間を死亡させる程の致死量を持っているらしいです!
 
これらのことから、胡蝶しのぶとの共通点が浮かび上がります。
 
・上弦の鬼や鬼舞辻無惨を倒すために1年以上も藤の花の毒を体内に蓄えたこと
 
・「致死量の700倍」という確実に「死」にひきこむ程の猛毒を蓄えたこと
 
毒画像
 
このように「毒を持つ蝶」の特性が反映されていると考えられます。
 
「胡蝶(蝶)の裏のイメージ」をまとめると、
 
・「不規則性の不気味や怖さ、命の儚さ(短命)、死、死霊」などの「不吉」
・「毒」
 
そしてこれらのキーワードから「胡蝶しのぶの裏のイメージ」が浮かび上がりました。
 

まとめ

『鬼滅の刃』に登場する「胡蝶しのぶ」の「胡蝶」の名前を紐解いてキャラクターを考えてみました。
 
「胡蝶(=蝶)」に「胡蝶しのぶ」をイメージさせる要素がたくさん詰まっていることが分かりました。
 
以下にまとめます。
 
「胡蝶(=蝶)」は「表のイメージ」と「裏のイメージ」を持っている
 
「胡蝶しのぶ」も「表のイメージ」と「裏のイメージ」を持っている
 
それぞれが共通の特徴を持っている
 
「表のイメージ」=普段の胡蝶しのぶ
 
可愛らしい、美しい、優雅、綺麗(な模様)、ひらひら(軽やか)、春など
 
平安時代の『源氏物語』には、「春」の魅力を「蝶」を使って表現
 
胡蝶しのぶとの共通点は?
 
蝶のイメージ(舞をする童女)▶︎可愛らしさ、上品さ、優雅さ、蝶の羽織や髪飾り
 
蝶が舞う春の季節▶︎温かさ=優しさ、落ち着き、明るさ=笑顔
「裏のイメージ」=敵と対峙するときの胡蝶しのぶ
 
不規則的な不気味さ、仏、死、儚さ(短命)、死霊、毒など
 
古代から不気味さや儚さ(短命)の象徴として「不吉」と捉えられていた
 
胡蝶しのぶとの共通点は?
 
「不規則で不気味さ」▶︎言動不一致(精神に矛盾を抱える)、サイコパス的
 
「死」▶︎家族や姉の死、自己犠牲
 
「死霊」▶︎死して童磨を死に導いた
 
「儚さ(短命)」▶︎小さく軽い体=蝶を思わせる、自己犠牲、短命
 
「毒を持つ蝶の特性」▶︎自分の体に1年以上「藤の花の毒」を溜め込んで童磨や鬼舞辻らに備えた
以上です。
 
「胡蝶(蝶)」のイメージや特性を探るだけで、こんなにも「胡蝶しのぶ」が浮かび上がってくるのは面白いですね。
 
今回は、キャラクター自体にスポットを当てました。実は「しのぶの名前」や「ストーリー」についてはその原型(由来)?があるようです。これについては以下で紹介しています。
 
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